旅好き女の二輪教習日記

25歳156cm運動音痴の女が普通二輪免許を取ろうと思い立ちました。

普通二輪免許が取れた次の第一歩をどうするか

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さっそく二輪免許の追記をしてきました。喋りはしないものの混み合い密of密な免許センターをなんとかかわし。晴れて公道に出れるようになりました。


さて、悩みどころ。次のステップをどうするか。

ひとまずライディングスクールには申し込んでみた。抽選落ちしないこと、緊急事態宣言で中止にならないことを祈っている。でも、当然それだけでは不十分だろう。

買うべきか否か

もともと、バイクはレンタルかサブスクで良いかと思っていた。しかしながら悩み始めている。私の体型を考えるに、買って車高を下げるなりカスタマイズしたほうが良いのかもしれない。レンタルで一発コケて傷つける未来もめっちゃ見える。海外旅行にお金を使えない今、バイクを買えるだけのお金は勝手に貯まる。

買うとして、一番困るのは置き場所。実家は田舎だけれど、家のつくり的にも家族の心情的にも置けそうもない。田舎のくせに駐車場を別個借りるのは金銭どうこうというよりなんかちょっと悔しい。空いた土地なら周囲に山程あるのに……。そう遠くないところにバイクコンテナはあるけど、サイズが絶妙にきつそうで迷いどころ。引っ越しもそう遠くない未来に考えるとなると、ますます悩ましい。

あとは思い切りがつかない。教習に苦労ばかりしてバイクの楽しみというものをまだ正直実感できていない。そんな状態でお金をドカンとぶっ込むのはなかなか踏ん切りがつかない。もともと所有する物は減らしたい派の私にとって、The所有欲趣味の塊みたいなバイクにちゃんとハマれるのか、この期におよんでも不安。


買うなら何を買うか

買うなら種類としてはクラシカルタイプが好み。なんならラダックで大人気のロイヤルエンフィールドとか改めて見ると素敵だけど、入手から整備までまっっったく初心者向けではない。

カーキとかベージュとかのミリタリーカラー系に惹かれる。塗装でアレンジはアリと思う。

排気量的には250ccが有力かと漠然と思っている。高速道路にはそう頻繁に乗らないはず。というより四輪ペーパー高速教習もシミュレータOnlyの身には四輪でさえ高速デビューするのがいつになるのかわからない。

あとは懇意になるバイク店をどうするか。バイク店って当然車アクセス前提の立地で。四輪ペーパーだとリアルに「バイクを買いに行く足がない」状態になっている。家の車で四輪を練習しようにも、家族の任意保険の範囲にギリギリ入らず渋られている。さらに引っ越ししたらどうするかも頭を抱える問題。

ひとまずバイク選びの知識がなさすぎるので勉強したい。勉強がてらバイク用Twitterアカウントは作ろうかとは思う。


やることリスト

やることとしてはやっぱりレンタルやスクールでまずいろいろ慣れてみて、楽しみをわかるところからかな。
リストにするとこんな感じ。

□四輪ペーパードライバーを脱出する
□二輪スクールを受ける
□バイク用Twitterアカウントを作る
□初心者向けの本を読む
□レンタルバイク店の場所と車種を調べる
□レンタルで原付2種レベルを試してみる
□候補のバイク店をピックアップする
□バイク店に行ってみる


こう書くと、先は長い。

幸い、時間はある。教習に使っていた時間は全部浮いた。ただ、入れ替わりのように酷い虫歯になってしまい歯医者に駆け込んでいる。それ以外、予定はほとんどない。

はやく歯を治して、次の一歩を踏み出していきたい。

普通二輪教習(25) 緊張と波乱の卒検、そして……

いよいよ卒検。
前日は全力でコンディション調整に臨む。ラベンダーオイルを枕に塗る、マッサージ、ストレッチ、眠りの深くなるサプリ、瞑想。リラックス法のフルコースにも関わらず、朝3時と6時に目が覚める。しかも卒検の夢まで見た。集合場所に行ったら入校希望者が溢れていてで卒検の集合場所がわからなくなる夢。表面的にはリラックスの皮を五重くらいにかぶせているのに、ダメだったもよう。絵に書いたような追い込まれっぷりに苦笑するしかない。

早めに起きると全身がガッチガチ。ストレッチと瞑想と体操に1時間ほど費やし。いざ出発。

梅雨明け当日、超グッドコンディション。直射日光にはならない、雨降りそうもない軽い曇り。日は暑いが空気は涼しく爽やか。これまで8ヶ月間教習やってきた中でも最高クラスの良い気候に逆にびびる。

  • 意外と気になることの多い卒検前説明
  • 緊張の待ち時間
  • 波乱万丈の卒検
  • 呆然の帰着
  • 発表の瞬間
  • 卒業式
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普通二輪教習(24) まったく嬉しくないみきわめ通過

ズタボロの心身をひきずりながら、2回目のみきわめ。幸い天気はくもりから小雨。朝みたいな土砂降りにはならなそうでホッとする。あれにもう一度打たれたら倒れていたに違いない。

車両は卒検用車両ではなく、ずっと今まで乗ってきたの8番車両。あれ?と思ったけれど、ツッコミ損ねた。車両が出払っていた可能性はなくはない。けれどもモヤッと感が残る。これ、本番で大ゴケするんじゃないかと不安になる。

車両に乗り込み、ウォーミングアップ。やはり卒検用車両よりも重心が低く、シフトチェンジが堅い。そして、アクセルを回さずとも開きっぱなしで回転数2000rpmくらいを指し続けているのに面食らう。以前はこんなことなかった。なぜだろう。

にっくきウインカー

ウォーミングアップの後、コースを回る。左折は膨らまないようにとリーンインを意識するとやりやすかった。スラロームも腰から重心を振る感覚を思い出した。慣れた車両感覚が少し戻ってくる。でもこの車両で戻ってこられても困るな、と少し思う。

卒検コースを3周した。転倒やパイロン接触はなかったものの、毎回指摘されたのがウインカーの切り忘れ。

手の小さい民にはウインカーはずっと鬼門。
bikelabo.com
ウインカーを切るには手元を見る必要がどうしてもある。半クラしながらとか操作しながらだと手が届かない。切り忘れ防止のためには、もう無意識で手元を見ずにとりあえずウインカーを押すことを癖付ければいいのかもしれないけれど、相当きつい。

左折で膨らまないように、膨らみそうだから慌てて左に寄せる、なんてしてしまうと必ずと言っていいくらい切り忘れる。忘れていることを忘れるのを乗り越えるには習慣づけるしかないのだけど、習慣づけるにしてはウインカーが遠い。クラクション鳴らしてしまいかねない。無駄なクラクションは卒検では減点対象。げんなりする。

調べてみると、ウインカーを自動で切ってくれたり音を大きめに出してくれるパーツがあるみたい。
pcxgo.com
やっぱりヒューマンエラーはシステムで解決するのが一番いいよね、って発想になってしまいたいのだけど。そんなこと言ってもどうしようもないのである。なんとかタイミングを覚えるしかない。

あとはできるだけ曲がるときに半クラとかで左手に仕事をさせすぎないほうがいいのかもしれない。半クラは曲がるきっかけづくりに使い、曲がっている最中〜曲がり終わりは使わない。

ただそうすると、曲がっている最中にエンストするかという不安がある。いっそシフトダウンして曲がるかと思ってもそれはそれでまた左手の仕事量が増えて怪しい。どこまで速度を落としてもエンストするか、新卒検車両のパワー感だとけっこう閾値が高いような直感がしていて怖い。あと1,2cm親指伸びてくれないかな……。




真の問題点は何なのか?

左右にふらつく、キープレフトが崩れるというのも指摘された。原因を自分なりに考えると、進路変更時の安全確認のせいな気がしている。しっかりミラー見ているアピールをするために頭を向ける時、ウインカーを出してから後方を確認するべく頭を振る時、視線の方向に車体がズレていく。バイクは視線の方向に寄せていく乗り物だけど、視線をしっかり移した時につい重心が釣られているんだろうと思われる。ニーグリップあたりの姿勢問題にも繋がっているように思う。

表面的に現れる問題点はあくまでも表面でしかなくて、結局どうしてそういう問題が起こるのかを一歩踏み込まないと身にならない。リアブレーキを無意識に踏み込みがちなのもニーグリップの問題だったし。

掘り下げた真の問題点を教習中に指摘されることはなかなかない。自分で考えたり、帰って調べてみたりする中で初めて気づく。教習中にはなかなか気づけない。あちらこちらから流れ込んでくる情報量を咀嚼して言語化できない。おまけに、背丈や手が小さいがゆえに発生する問題点をあまり言語化できていない。ウインカーにしても手が小さくて辛い、というのを今まで話したことがない。そこを自分でケアし続けるのはなかなか孤独なことである。





嬉しくないみきわめ通過

必死こいて3周し、みきわめOKをもらってしまう。愕然とする。

なんで卒検用車両でやらせてほしい、と頼まなかったんだろう。卒検用車両にまごつく未来が見える。ひどく後悔している。ここまでねじ込んでもらってまでみきわめ通ったのに、全く嬉しくない自分に気づく。卒検直前にもう1回予約をがあったのも、みきわめに通ってしまったがゆえに無効になってしまった。もう1回乗らせてほしい、となんでダメ元でも頼まなかったんだろう。主張できない自分が心底嫌になった。

ひとまず受付に向かい、次の土曜日に卒検の予約を入れる。卒検も混んでて間が空くんじゃないか、と少し不安だったけれどすんなり取れた。

卒検は何回で通れるだろう。きっと1回では通らないから、体験気分で行くか。でも実際にその場に立ったら死ぬほど緊張するんだろうと思う。もしかすると緊急事態再宣言もありえなくない今、卒検の途中で中断が入ったら……と考えるだに恐ろしくなる。もう勘弁してほしい、という気持ちと、ここまでいろいろ苦難を引き寄せてきたのだから、卒検ブランクも引き寄せ得るかもな、なんて思う。卒検土砂降りだって引き寄せかねない。

そうなったら、もう床の上で笑い転げてブログのネタにしよう。やれる範囲のことをやってダメならダメで割り切ろう。ネガティブからポジティブになれないなら、残るは開き直りしかない。そう思う。

普通二輪教習(23) 雷、土砂降り、絶望のみきわめ

梅雨というより雨季という気候の中。雨がギリギリ曇りになり、教習車両も少ないラッキーなタイミング。いよいよみきわめ。まぁ一発では通らないというか一発で通ったら逆に卒検との間隔が空くし卒検用車両にも慣れられないから気楽に行こう、いつかは通るだろう。そんなマインドセット。とはいえ緊張はしていた。

まさかの教習中止

教官には「とうとうみきわめだね」と、クライマックス感のある調子で話しかけけられる。コースは覚えたか、今まで何を指摘されたかなどなど。今日は2番の卒検用車両で、それまで乗ってた車両と比べるとやっぱり目視でもシート高が違うように見える。「この卒検用車両の重心と車高が高くて苦手」と話すと、「本番もこれだろうからね、慣れるしか無いね」と返される。まぁそりゃそうとしか言いようがないな。

今日は車庫から引っ張りだすところから始める。前言われたことを思い出し、なるべく大股で踏み出し、何度もハンドルを切り返しながらやっとの思いでポジションにつけ、改めて教官の話を聞く。

突然、目の前がピカッと光る。即座に爆発したかのような凄まじい音。まさかの落雷。目の前にいた教官3人がウワっと声を挙げて頭を抱える。めちゃくちゃ近い。光ってから音がするまで0.5秒あるかないかくらいの距離感。

それまで雷の音などしていなかったのに。ゲリラ豪雨ならぬ、ゲリラ雷。こんな予測できない雷に撃たれたらひとたまりもない。既にコースに出ている二輪教習生が続々と車庫に避難してくる。

教習は中止となった。みきわめどころか、バイクにまたがる前に中止。雷を除けば良コンディションだったのに。緊張からの予想外の解放で呆然。

予想外の翌朝予約滑り込み

受付で次回の予約を取り直し。「ざざいずみさん、地道に通って頑張ってたのにね。中止は残念だったね」とねぎらいの言葉をかけられる。1月から通ってる古参はそろそろ少なくなってきているんだろうな。なんか地道に通ってる人がいるぞ、というのを認識している人がいる。それは考えてみりゃ大して不自然じゃないのだけど、孤独に頑張っている身にはちょっと意外に思えた言葉だった。

「早くみきわめ受けたいでしょう」と、翌日朝に予約をねじ込んでもらえることになった。これまた予想外の展開。帰ってから必死に今日着たいつもの教習服を洗って必死に乾かすこととなった。



史上最悪の土砂降り、絶望のみきわめ

翌朝、再び教習所へ。前日の予報では降水確率30%、晴れはしなくてもそんなひどくはないんじゃないか、と思っていたけど。準備の際は雨が止んでいたけど。ウェザーニュースの5分間予報を見ると、めちゃくちゃ降りそう。あまり雨装備をしていない教習生を尻目にレインパンツを装備する。

改めてみきわめ。今日もあの乗りにくい卒検用2番車両。慎重に乗車。思い切り身体を前に倒してゆっくり乗ったほうが乗りやすい。

まずはウォーミングアップ走行。シフトチェンジだけは恐ろしく軽快な車両。

続いて早速発着点に入り、いよいよみきわめコースを走る。
まずは1周。踏切に入る際に1速にし忘れかける。全体的にやはり重心が掴みづらく、小回りや2速以上での減速が怖い。かろうじてS字クランクまではこなしあげたが、気が抜けるとすぐウインカーを消し忘れる。左右に重心を振るのが嫌でスラロームもノロノロ通過。一本橋、急制動、坂道をこなす。坂道後の合流でキープレフトせず中央にはみ出る。発着点に戻り、超慎重に降車。

とりあえず転倒しなかったことにほっとする。しかし教官からは当然指摘の嵐。クランクがパイロンギリギリだったとか、左折で膨らんでキープレフトが崩れるとか。左折は小回り苦手なら当然そうなるな。だいぶ前にクランク出口で小回りしようとしてエンストからの転倒の感触が結構トラウマっぽく、減速時にクラッチをやたら切る癖がある。でもあまりクラッチを切りすぎると逆に小回りしにくい。リーンインするほうが優先度としては高い。その時にはそこまで頭が全く回らなかった。ただただ高重心が嫌だという気持ちしかなかった。

2周目あたりから雨が本格化してくる。時折土砂降りにも程がある雨に打たれる。今まで数々の教習雨に耐えてきたレインジャケットにとうとう水が染みる。別に寒くはないけれど、顔に雨が当たるのがつらい。バイザーのないタイプのヘルメットを借りている。それ以外は全部サイズが合わないため仕方なく。それが仇となって、ひたすら顔に雨が全力であたってくる。視界がつらいし体力がすごい勢いで消耗していく。やけくそでコースを1周。

教官からは指摘の雨あられ。キープレフトがとにかく解ける。あまり1回目から変化がないもよう。何を指摘されたか、具体的な記憶がほとんどない。それくらい辛かった。

体力も気力もない。でも、3周目を周れと言われて駆け出していく。嘘みたいな土砂降り。視界はほとんど潰れていた。クランクの出口の後の交差点で左右確認を忘れているとの指摘を後ほどされたが、それすらままならないほどの視界。酷すぎた。さっさと自分用ヘルメットを買わなかった自分を恨んだ。ひたすら必死に走りに走った。後半になると少し雨が弱まったが、消えた気力と体力は戻らず。坂道発進に一度失敗。本来はリアブレーキを離して発進するところ、先にクラッチをつなげてしまいエンスト。心底嫌になった。ボロボロのまま発着点に戻る。最後の気力を振り絞って、転ばないように降車。

キープレフトと左折の膨らみをやはりまた指摘された。自分なりには意識しているはずなのに、具体的にどこで起こっているのか。わからなくなっていた。クランクは1、2回目よりもギリギリ度が減っていたらしい。スラロームは1、2回目よりもタイムが悪化し、9秒台に乗ってしまった。

次回ももう1回みきわめをやることに。1回で通らないのは予想通りだけども。むしろみきわめでなるべく時間を使って卒検用車両を練習しておきたかったのだけど。思ったより落ち込んでしまった。何も身になっていない気がして。

受付に向かい、昨日予約を担当してもらった方に声をかけ、次回の予約を取り直す。最初声が聞こえなかったのか「検定の申し込みはあちらだよ」と言われる。「いや、補習なんですが」と声を挙げる。補習なのは予定通りなのに、ちょっと惨めな気持ちになる。声をかけたところで、いつも通り次の予約に回るだけだろうと思った。けれども、なぜか手招きされる。「今日の午後時間ある?せっかく頑張っているでしょう、この時間帯なら入れられるよ」とのオファー。

またいつ悪くなるかわからない天気予報。自然乾燥ではまず乾きそうもない全身ずぶ濡れの身。体力を養って、日を改めてチャレンジしたほうがいいかもしれない。

そう思ったけど。押し切られたような気分で、午後に教習を入れてしまった。帰りながらぐるぐると考えが止まらない。間に合せのレインウェアを買おうか、コインランドリーで乾燥しようか、いや、やっぱり電話してキャンセルしようか。そんなことを考えながら。



泣きっつらに自転車パンク

着替えもなくずぶ濡れのまま自転車に乗り、家を目指す。とたん、何かがおかしい。自転車からガタガタ音がする。見ると、後輪タイヤがパンクしていた。絶望的な気持ちになる。なんで、こんな時に。完全に気持ちが折れる。号泣しかける。もうやだ。リアルに嗚咽が漏れる。

幸い、自転車屋がすぐ近くにあった。後輪を持ち上げながら自転車を押して駆け込む。老年のおじいさま店主がまったりと座っている。ちょっと面食らう。リラックス具合が東南アジアあたりの個人商店のゆるさを思い出させる。なにはともあれパンク修理をお願いすると、さくさくと目の前で作業に入っていった。

作業の様子を眺めながら待つ。私自身、パンク修理を自力で何度かしたことはある。でも、今の自分にそんな気力はない。もう今なら1000円でも2000円でもいくらでも払ってもいいからお願いしたかった。以前パンクしたときも、最悪にもほどがあるタイミングだった。盲腸にかかり、近くの病院に行こうと自転車を出したらパンクしていた。フラッフラの身体で病院まではるばる歩いていったことを思い出す。自転車は最も最悪なタイミングでパンクする法則でもあるのだろうか。

結果、5ミリくらいの石粒がタイヤに刺さっていた。きれいに尖った三角形だった。修理代は900円。もっと払っても良い気持ちになる。淡々としたプロの作業を眺めているうちに、絶望的な気持ちが少し落ち着いた。自転車屋なんてそうたくさんあるわけじゃないのに、すぐ近くにあったのは本当に不幸中の幸いだった。

家に帰り、ずぶ濡れの服を乾かす。憎らしいほどの晴れで、みるみる服が乾いていく。雨が土砂降りだったのなんてほんのわずかな時間で、それなのに私の教習時にバッチリあたってしまったことが恨めしかった。

朝見た時には午後から晴れ予報だったのに、見るたびに天気予報はどんどん曇り、雨に変わっていく。直前には、なんと私が教習を入れた時間帯だけが雨予報に変わっていった。雨女にもほどがある。爆笑するしかない。もう。雨が降らないのは期待しないから、せめて土砂降りでないことを祈った。

ボロボロの身体で昼寝し、ご飯を食べ。あっという間に、再度の教習に向かった。

普通二輪教習(22) みきわめ前、モチベが最底辺へ急転直下

雨降りまくりの日。もはやここまで雨一辺倒だと開き直れる。そう思いながら支度。小雨とは言い難いしっかり雨。冬じゃなくてまだよかったと思う。濡れても寒くはならないから。

今日はやたらと二輪教習生の多い日。みんな1段階のゼッケンをしている。1月に入校した私なんてこの中だと一番の最古参になってしまってるんだろうなんて思う。


教習車両も出払いまくり。私にあてがわれたのは2番車両。教官同士の会話を聞いた限り、本来卒検用の車両っぽい。またがってみると車高が……高い。今までの中でもトップクラス。卒検用車両って整備が良いパワーのあるものを使うという話は聞いたことあるけれど、なんでシートまで高いんだ???恐る恐るまたがり、発進。エンジン音の感触がかなり違う。シフトチェンジがめちゃくちゃ軽く入りやすく、パワーがある。停止・乗降車で足をつかない限りは快適、なのだが……。

まずはウォーミングアップ走行。雨はザンザン降る。ヘルメットにバイザーがなく、目にめちゃくちゃ雨が入る。1周目はスプラッシュマウンテンや!ウッヒョー!とテンションをあげようとしたけど、早くも2周目からうんざりしてくる。視界が悪いって疲れる。やっぱり早くマイヘルメット買うべきだったか……。


刺客、ポールと卒検車両にやられるマンホール走行

続いて今日の課目、バランス走行に突入。卒検の課目ではないのであくまでも体験、路面が濡れて滑りやすいので無理しないで、とのこと。

まずはマンホール上を走行。坂道の先にマンホールがあると言われる。まず教官について普通にコースを一周。坂道下に目をこらしたもののマンホールが見つからない。心の準備ができないままもう一周。

坂道に突入し、ようやくマンホールを見つける。あまり傾けずに直進するようにと言われる。ギアをローに入れ、ゆっくりまっすぐ慎重に通過し、問題なく停止。

問題はその後。目の前にポールが2列で何本か立っていて、その間を進む必要がある。幅1mかそのくらいかでめちゃくちゃきつく感じる。しかも、マンホールに気を使ったがゆえにポールを通ることを考えておらず、ポールを通るためには発進しながら車体の向きを変えなくてはいけない。まぁこのくらいの距離なら回れるだろうと思ったら、いつもと違う車高とパワーにバランスが崩れてコースアウト。左側のポールと左側の壁の隙間に入りこんでしまう。狭すぎて通りきれず、右へ転倒。壁とポールの隙間に挟まるバイク。しかも間の悪いことにサイドスタンドの足元がちょうど側溝の排水溝にジャストフィットする位置で、このまま引き起こすとサイドスタンドが側溝を突き抜けるという地獄のおまけ付き。あまりに悪コンディションすぎて教官に盛大に手伝ってもらう。少し引き起こしてずらしたり、一旦乗って位置を調整してからまた引き起こしたりの悪戦苦闘。

ついでに通りがかった別の教官に頼み、車両をいつも乗っていたものに替えてもらう。なんというか大騒動すぎる。これでみきわめ1コマ前の人間ですか……。かなり落ち込む。

いつもの車両に乗ると、ぜんっぜん車高が違う。重心が低く、安定感がぜんぜん違う。続いてもう一度マンホール&ポール通過チャレンジ。今度は難なく成功。



見た目よりはなんとかなった波状路

次は波状路。大型二輪だと卒検科目に入る技能。バイクを止めて説明を聞きつつ、大型二輪の教習生が波状路にトライしているのを眺める。ツルっとコースアウトしていった。こんなの雨でいきなりやって大丈夫かな、と少し怖くなる。

まずは座ったまま通過。ローギアでまっすぐゆっくり侵入。ズガアンズガアンと下から突き上げられる。突き上げられるがままに通過し、停止。意外とできた。続いて立って通過。立ち上がってバランス崩さないかとちょっと不安。軽く腰を浮かせるくらいで侵入。さっきよりも突き上げは軽いが、相変わらずのすごい振動。無事通過。自転車で段差を通過するのと似ていて、とにかくまっすぐゆっくりを意識して停止にも焦らなければどうにかなった。

続いて一本橋の障害つきバージョン。まずは普通の一本橋を通過。続いてタイヤのゴムのようなものを一本橋に置かれた上を通過する。「落ちてもいいから無理しないこと、体験だから」と言われた。ならばとタイムは一切気にせずブレーキもかけず、勢いでさっさと通過。滑り落ちず転倒もしなかった。これも自転車の感覚に似ている。

最後にコースを周回。教官の後ろに着いていく。ひとまず無難にこなせた。久々すぎて不安だったクランクやスラロームも追突なく通過できた。問題点は踏切前でローに落とすのが遅れたのと、右左折の連続時にウインカーの切り忘れが発生したあたり。イメトレで補える範囲のはず。




期待をするから苦しいのか

ようやく雨が止んできた頃に教習終了。防水パンツが薄すぎてズボンがびっちょり。寒くはないが、ただただ重たくて不快。ワークマンあたりでもいいからもう少しばかりまともなものを買うべきか。

次回はみきわめ。教官にはもう何回か乗ったほうが良いとそこはかとなく勧められる。「補習料金もかからないし、いつか旅行に行きたいって言ってたよね。なら今乗っておいたほうが安心でしょう」と。ぐうの音も出ない。特に、卒検用車両で卒検受けるなら本当にそうだろう。

でも、ここへ来て改めて落ち込む。卒検用車両が一番乗りにくい車両ってなんだ。ここまでいろいろ頑張ってやっと二輪慣れてきたかな、と思ってきたところで、はいこれ卒検用乗りやすいよ、という顔されて相性凶悪という。

もはや賽の河原の石積みしているような気分。もうこの教習中に何回期待を積み上げては崩れてきたことか。「春になれば教習所が空くはず」「次回こそ補習をあがれるはず」「さすがに教習期限が延長されるはず」……。同じことだ。「もうすぐ卒検にたどり着けるはず」「卒検一発合格は期待しないにせよ、卒業は遠くないはず」なんて、期待を抱くのが間違っている。

でも、さすがにそろそろ卒業したい。雨と混雑と教習期限に気を揉む日々を卒業したい。願わくばもうすぐ近場で開かれるライディングスクールのイベントに免許を間に合わせたい。そんな期待もぜんぶ、捨てておいたほうがよいのか。目の前のことを淡々とやればいいのだけど、やり続けるにしては、この期待と崩壊の頻度が多すぎる。バイクを楽しめる日が来るのか、わからなくなっている。

普通二輪教習(21) シミュレータ+学科+おしゃべりのセット教習

雨上がりの湿度100%に蒸されながら教習所に向かう。今日はシミュレータ+学科の2時限連続。しっかりクーラーの室内で良かったと思いつつ、この調子だと卒検は灼熱か大雨かの予感がして震える。良いコンディションになりようがないだろう。冷却グッズでも買うべきかな〜なんて思いつつ教習突入。

思い出話からのシミュレータ

今回は危険予測。以前のシミュレータ教習で少し頭出ししてもらったパート。今日は若い男性と2人で受講。おそらく定員3人前提で時間が組まれているからか、つなぎの教官の雑談タイムが長かった。

昔は16になったらすぐ二輪免許を取りに行く風潮があった話。教官が若い頃に何度か事故ったとか。友人がサイドスタンド収納し忘れ左折で転倒する死亡事故を起こした痛ましい話を臨場感たっぷりに語られた。その頃はサイドスタンド払い忘れ防止機構がなかった時代。バイクの価格が今より2〜3割安く、事故対策機能とかで高機能化して価格が上がっていったとか。

そんな思い出話を語られ、危険予測って大事だよねということでシミュレータ乗車。

まずはもう1人の男性が乗車。さっそく右直事故発生。私がおそらく前回頭出しで走ったパターン。続いて自転車との追突が発生。自転車側がなかなかにありえない危険運転なトラップすぎて回避するにはつらいなと思う。

続いて私も乗車。別のコースを走る。イカれたタクシーが一番やばかった。急に曲がり止まりUターンする、お酒でも飲んでるのかと思う危険運転。ついでに右折時に予兆なくバランスが急に崩れて転倒した。右足を踏み込みすぎたのかなんなのか。予期せず90°曲がる視界に酔うかと思った。続いて路肩に駐車する車の列。対向車線側に避けて徐行していたら突然目の前にドアを開けるトラック。すんでのところでブレーキ。これまたイカれていると思った。


余談たっぷりディスカッション

乗車終了後、ディスカッション。先ほどの運転の録画バージョンがアングルを変えて流される。シミュレータ、こんな機能もあったのか。

まずは右直事故。なぜ発生するか、どう回避するか。聞いていると、人類に交差点なんてものは早すぎたんじゃないかなぁと思う。人間の限界を考慮しないバグ設計のように思えてくる。とりあえず隣車線であれトラックの近くの死角には危険ゾーンとして入らないほうが良いとのこと。余談で、追突位置による過失割合の違いも説明された。右直事故で右折車両の前方でぶつかると右折車両の過失が重く、右折車両の後方部に追突すると直進側の過失が増えるとか。うーん。バイクにもドラレコが必要そうだなと思う。

続いて見通しの悪いカーブ。対向の大型車がカーブで膨らんであわや接触の場面。減速とキープレフトが重要。「女性はともあれ、男はカーブでスピード落とさず傾けて曲がりたがる傾向があるからね。なんなんだろうね、絶叫マシーン的な楽しさを味わうためかな」と教官。そうなのか。確かに私がスピード狂になる未来は見えないけれど。

最後に路肩駐車列の回避。考えられる限り、どんな危険が潜んでいるかを話し合う。四輪乗ってれば当たり前にわかる話な気がする。ペパドラ焦る。まぁ考えこまなくても直感的に分かる範囲ではあった。対処法としては、対向車両がいなければもっと対向車線にはみ出して走行し、車の列から人が飛び出したりするのに備える。対向車がいれば徐行で注意して進む。などなど。対向車線車線に盛大にはみ出しにいくのに私はそこはかとない抵抗感があるなと思った。あまり自転車や歩行では無い場面だからか。その感覚は慣れる必要がありそう。

二人乗りする日は来るのだろうか

二人乗りをする予定はあるかと聞かれる。もちろん無い。二人乗りできる自信が持てる日が来るなんて想像したことがない。

続いて、交通法規に関して質問される。2人乗りは免許取得から何年でできるか、そもそも高速道路は何ccの二輪から走れるか。などなど。四輪で学科受けたのは5年前の私、すっかり記憶がおぼろ気。二人乗りは徐々に規制が緩められてきたのだそうで。二人乗りで高速道路を走れるようになったのは2005年。意外と最近。

というわけで、解説ビデオを観る流れ。

2000年代前半感のすごい映像。四輪教習の時を思い出す。観ていて、やっぱり私に二人乗りできる日が来るとはなかなか思えなかった。まず同乗者の乗降車時に転ばずにいられる気がしない。二人乗り映像は揃いも揃って運転者男・同乗者女の組み合わせだった。そりゃそうか。Google画像検索しても99%その組み合わせ。彼氏を後ろに乗せてタンデムなんてできたらカッコいいだろうなと思う。けれど、あまりにも夢物語すぎる。私よりも重い体重を後ろに抱えて、命を預かる自信があります、なんて言える日が来る気はまったくしない。ラダックをツーリングするより難しそう。


迫りくる卒検

ビデオを観終わり、余った時間で卒検の解説。

朝9時に集合して説明を受け、10時ごろ乗車が始まり、11時半ごろ乗車を終える。合格発表と休憩を挟み、合格してたら卒業式、解散は15時くらい。
曜日は土曜日か木曜日に限られる。在宅勤務の今なら平日半休で卒検受けられないかな〜と思ったら、まったく間に合わない。予約取れなさすぎるか、落ちまくって期限がほんとうにヤバかったら木曜有休を考えようかな……。

おしゃべりメインのゆるい雰囲気で教習終了。次回の予約は2週間後の4連休。連休中に2回教習を受け、順調に行けば2回目にみきわめ。マジのマジで卒検が迫ってきた。実車が3週間ぶりになることを考えると順調に行く気がしないけど。

私はいったいあと何回、何週間で卒業にたどり着けるのでしょうか。クライマックスシリーズの幕が開きつつある。

普通二輪教習(20) 横風に煽られまくる回避・急制動

雨ばかりの中、曇りで踏みとどまった日。久々に風がめちゃくちゃ強くて焦る。
今日は再び2対1教習。加えて教官の研修らしく、何人かに見学されながらの教習。注目度マシマシ。

回避よりも乗降が怖い

まずはウォームアップ。足つきが悪い。どう考えても車高が上がっていっている。ちょっとずつ検定に向けて車両を変えているらしい。なんでそんなことするのか〜〜〜と心の中で叫びたくなる。エンジンのパワーが増すのは百歩譲って許すけど、低身長民には少しの車高差が致命傷。

続いて回避。卒検課題には含まれないため、ゆるくやりましょうというノリ。
回避用のエリアに向かって説明を受けにいく。風に煽られまくりながらの降車が非常に怖い。足が遠くに着いて曲がってしまうとよろけるからもっと真下にまっすぐ降ろせとの指導を受ける。いつもより注目度が高い中で焦る。「なんかいつもより車高が上がってませんか?」とつい聞いてしまった。気のせいレベルらしい。

回避は事前に予想していた通りの雰囲気だった。赤い旗が上がったら左、白い旗が上がったら右に回避。2回目、白い旗が左側に向けて上がるとつい左に行ってしまった。それ以外は順当に進む。回避よりも停止・乗降車が圧倒的にきつかった。開始地点に停止する瞬間にブワッと横風に煽られ肝を冷やした。3、4回ほど回避を行いOKが出る。


さくっとこなす急制動

続いて急制動へ。特に1段階時と変わらない流れで、何度も急制動を行う。

この日は二輪の急制動待ちが私以外に2人。1人は私と同じ教習を受けている男性、もう1人は大型二輪の男性。四輪もコース上に多く、待ち時間がけっこう発生する。横風に煽られながら倒れないように気を張る。待ちながらふと前の2人を見ると、べったり足が着いている。チクショーと思う。まぁ私がこの体躯でここまできたのはだいぶよくやってる方だと褒めたい。

急制動本体はそつなくこなす。最初の1回だけ後輪ブレーキ踏み込み癖があるのを指摘された以外は普通にできた。
むしろ急制動の後、右方向に発進する際の姿勢に指摘が入った。腕に力を入れず、ニーグリップをしっかりし、行きたい方向を見る。ド基本。私の腕の長さでは!腕に力を入れないのってけっこう辛いんです!と思うけれど、まぁ言い訳してても仕方ない。急制動後はエンストしがちなのでつい気が張るのもある。少なくとも目線に意識をちゃんと入れるように気をつける。

できることをやっていくしかない

そんなこんなで教習終了。

課題本体よりも風煽られのほうがよっぽどきつい1日だった。コケずエンストも1度だけだった自分を讃えよう。今の自分の課題はド基礎にあるなと思う。姿勢、ニーグリップ、昇降。たぶん個々の課題よりも、ド基礎をいかに常にこなすかをもう一度叩き込んだほうが良さそう。左手を見るとクラッチの痕がクッキリ残る。無駄に力が入っているのか、クラッチが硬いのか、その両方か。



次回はシミュレータ + セット学科教習。いよいよ教習が終盤に近づいてきている。混雑は相変わらずすごい。もしかするとキャッシュレス還元終了前の駆け込み入校が起きているんじゃないかという気持ちがする。卒検前最後の乗車と卒検まで期間が空くんじゃないかと心配になる。平日だろうが休日だろうが選択肢がない。有休使ったところで2週間を1週間にすることは到底できないレベルの混雑。

まぁ心配してももはや仕方ない。通れば良いのだ。既に1段階みきわめの前に2ヶ月ブランク挟んでたし、ずっと1、2週間間隔ペースでちょこちょこ乗ってきたのだし。今の自分が素直に乗ってできる範囲でみきわめGo出るか出ないか次第だろう。クランクとスラロームで追突しさえしなければ、エンスト超連発しなければ、通るんじゃないかと信じたい。さすがにそろそろ卒業したい。

そうやって欲出すとまた教習所が休業しそうな気もするけれど。卒検が空いている未来が全く見えないけれど。休業も予約も、気を揉んだってどうにもならない。私の手の届かない範囲であれこれ不安になるのではなく、私のできることをやるしかない。できること、ってやっぱり乗車に集中する、イメトレする、くらいで。集中すべきことと集中すべきでないことをちゃんと分けよう。

今日はこのくらい。