旅好き女の二輪教習日記

25歳156cm運動音痴の女が普通二輪免許を取ろうと思い立ちました。

普通二輪教習(2) 脳が大混乱の発進停止

いよいよ2時限目。実際にバイクを動かして発進停止。
しかし初っ端から2時限連続ということで既に疲労困憊。初めてバイクを前にして2時間で乗れるはずあるか???と脳内に疑問符大量に浮かべながら教習突入。

準備

今回からはプロテクター類を装着することに。しかし着け方がわけわからないかった……。
胸・肩・背中用と、肘用、膝用の3種類があるのですが、まず胸・肩・背中用のサイズがわからない。肘・膝プロテクターはいくつか見たけどサイズの概念が薄そう。
わたわたしていたら休憩時間終了、あっという間に時限が始まる。さっきと同じ男性と教官、10分ぶりの2対1教習。教官にプロテクターのサイズを尋ねる。「サイズ書いてないから見た目で判断するしか無いね〜これかな」と手渡されたプロテクターを前後どちらなのかどことどこを付けるんだとすったもんだしながら装着完了。なんか想像よりゆるい。もっとぴったりなのかと思ったらとりあえずついていればOKとのこと。

やっとの思いで装備を着けて二輪小屋へ。ギア操作について学ぶ。始めはニュートラル踏み込んでローで発進、上げて2速、3速。下げて2速、ロー、かるーく上げてニュートラル。事前にそこそこイメージしていたところ。


続いてヘルメットを装着。被るだけかと思いきや、苦戦。ヘルメットはレンタルのジェットタイプ。冬だからか、Sサイズだからか、使い込まれている感は特にしない。でもヘルメットインナーがぐっと引き込まれて目に被ってきたり、あごひもがどこにあるんだかわからなかったり、下を向くとぐおっとずれたり。ヘルメット着けるのってってこんな難易度高いのかと驚く。何度かかぶり直して調整してやっとマシになる。当たり前だけどヘルメットってめっちゃ耳塞がるんね。教官の声がかなり遠くに聞こえる。大丈夫だろうか。

発進・変速・停止の練習

センタースタンドをかけた状態で発進・変速を学ぶ。
またがってエンジンスイッチをONにし、スタータスイッチを押す。再び自分の下で唸りまくるエンジンの音にびくびく。いつ慣れるんだろう。

アクセルを戻すと同時にクラッチを切る。チェンジペダルを踏み込む。バイクがガクっと鳴り、ランプが点く。徐々にクラッチを離す。徐々に!徐々に〜〜〜!と脳内で唱えているのにクラッチのデカさに耐えかねて急に手がゆるんでしまってかエンスト。なるほどこれが噂のエンストね。まじで問題は手のサイズだな……と再確認。

再びエンジンをかけなおし。戻して握る、変速、徐々に離しつつアクセル。ブウォーンと唸るアクセルの音。減速チェンジは油断するとすぐローからニュートラルにいかずに2速に入ってしまう。この重さにして意外と繊細。

続いて教官に支えられつつ、ローに入れながら半クラで少しだけ前に引っ張られる感覚を学ぶ、クラッチを急に離して前に勢いよく進みそうになる。慌ててブレーキを全力でかける。自転車と違って手を数ミリ離したときのパワー差が次元違い過ぎてすごい。

教官「今ならローでアクセルも回していないからちょっと前に進むだけですが、もしこれでアクセル回してたら前にすっ飛びますね。二輪は普通車と違って補助ブレーキもないし死亡事故も全国ではあります。とにかく安全には気をつけて」

二輪教習での事故死事例があるとは聞いていたけど、なるほどこういうことなのね。。。と実感し心に冷や汗。こえぇ。


いざ発進……したかった

ビビりまくった私をよそに「コース内で実際に走ってみましょう」ということに。

教官「今回はローを使い発進し、停止時はフロントブレーキ(右手)は使わずリアブレーキ(右足)とクラッチだけで止まってください」

フロントブレーキだとかかりが強すぎてつんのめってしまうとのこと。これは自転車でもわかる。普段後輪ブレーキのほうが圧倒的にメインで使っている。しかし左手と右足という対角線で操作するということに違和感がすごい。そんな動作、音ゲーもドラムもしたことない私には対角線の動きが高度すぎる。


えっちらおっちらバイクを押し、コース内のスペースに行く。
まず私が始めに発進することに。アクセルは回さなくていい。ただクラッチを徐々に離していき、止まるときは左手と右足。それだけ。頭ではわかっているけど、できない。足をいつ離してステップに乗せるのかわからない。というかステップがどこらへんにあるのかわらからない。目視もできようがない。
そして両足を反射的に地面についてしまう。どんなにクラッチを「少しずつ!少しずつ!」とヘルメットの中でつぶやいても、加速が指数関数的でぐわっと前に引っ張られる感覚につい両足をついてしまう。
教官「怖くないですよー」と言われる。
「足を上げるタイミングがわからないんですが」と聞くと「速度が出てきたら上げて大丈夫です。速度出たほうが安定しますよ。自転車と同じですよー。」とのこと。
頭ではわかる!めっちゃわかる!けど、脳と足が拒否している。
きっとバンジージャンプで足がすくむのと同じで本能的に「あこれはなんかやばい」と勝手に脳が司令を出して足が出てくる。理性ではわかるのになんか脳と足がバグって混乱している。怖いという感情は心では感知していないのだけど、脳と身体が意味不明になっている。

結局足を離せず、立ちゴケすらせずに今回は終了。できれば今回は2速までいきたいという話ではあったものの、その遥〜〜〜か手前。まじでこの2時間で2速までいける人がこの世の中にそれなりにいるであろうことが信じられないな。。。



そもそも普通車ペーパーの私はエンジンのついた乗り物で前に進むという感覚自体が久々すぎて、それに加えてバイク特有の多種多様なコマンドのごとき操作と物理的パワーと重量があって。しかもコマンド打ち間違えたら急発進だよ?
それはまるでツーバスドラムで手足バラバラにリズミカルに動かさなきゃなのに、間違えたら組み合わせ次第で事故るとかいうすごいやつ。そういう情報量に圧倒されて脳の理性がとうとう本能に勝てなかった。もう一人の方も相当苦労して同じように発進しきれなかったのをミラー越しに見てた(振り返るとバランス崩しそうなので)。

反省

あっという間に今日の教習時間は終了。
教習小屋で教官に励まされた。
「頭でわかっていても身体がついていかないのはよくあることです。じっくり慣れていきましょう。それに今日は怪我しなくてよかったです、安全が何よりですからね。ゆっくりでも確実にやっていきましょう」


あまり落ち込みはしない。けど一番は知識としてわかっていても身体が混乱しているという状況がかなり身にしみたこと。
いつかはこの脳の混乱した回路をつなげきって、ラダックや少なくとも日本の公道を走り周る日が来るんだろうか……。

とりあえず次はシミュレータ教習とのこと。このタイミングでは補講にならないことにびっくり。次の次の技能のときに持ち越しということか。
このダメダメさを見てかは次回以降の技能マンツーマンになるそうで。頑張っていかねばだな……と次の予約を取ったら、マンツーマンになったからか予約の取りにくさが上昇している気がする。シミュレータ挟んで実車に乗るのは再来週になってしまった。いつ卒業できるのか不安になってきた。



とりあえずすさまじい情報量を2時限連続で頭に叩き込むのはしんどかった。
操作自体は予習していたとしても、やっぱり実際に触ると数倍の情報が流れ込んでくる。ヘルメットしかり、重さしかり。最後のほうには脳がオーバーヒート気味。
この話を書いたのは教習の3、4時間後なのに、必死すぎて細かい教習の順番がかなり記憶から飛んでいることに気づく。

しばらくは1日1時限ずつ、飲み込みながらやったほうがいい予感もする。


そんなこんなで予想通りへっぽこです。次こそうまくいくような根拠のない楽観を抱いてイメトレに励みたい。

今日はこのくらい。